■住民の不安は外国人バッシングへと発展
2025年7月、違法伐採の発覚から1か月後に始まった参議院選挙。この問題をいち早く取り上げたのが「日本人ファースト」を掲げる参政党から北海道選挙区に出馬した、元倶知安町議の田中義人氏だ。
「勝手に伐採して、宅地造成して、中国人村を作って、ここに中国を作ろうとしている。こういうのが問題だって言ってるんですよ我々は!」(田中氏の街頭演説)
現地を訪れた田中氏は「これひどい…。これですよ植えたやつ。切った木の再生で計画立てて植えている。これが再生ですからね」と、木の枝が地面に刺さっているだけのようなお粗末な復旧状態を批判。
「無断でここまでやったら絶対に住民の人が気付くから、すぐに通報が行くじゃないですか行政に。それにちゃんとして毅然とした対応すればこんなことにならなかったのに。不思議でたまらない。行政のお粗末さというか法の限界というか、そういったものが全部ここに現れている」(田中氏)
中国系企業による羊蹄山麓の違法伐採。森林法違反のほかにも、工事をめぐる法令違反が次々と明らかになった。申請せずに大規模工事に着手した建築基準法違反、一定面積以上の土地取引を申請しなかった国土利用計画法違反など、その数は9つにも及ぶ。
伐採問題を端緒に外国資本の土地買収の制限などを訴えた田中氏。あと一歩及ばなかったものの、当選圏におよそ8000票差まで迫る戦いを見せた。
外国人はルールを守らない─。広がった不安は、インバウンドを受け入れてきた倶知安町の住民たちにも現れる。
市街地で計画された外国人労働者向け住宅街の建設。農地を転用し、町の人口の1割近い最大1200人が住む場所を作るというものだったが、住民が転用に反対し、署名活動に発展した。
町民らは「嫌だなと思った。治安が悪くなるんじゃないかと」「近くに小学校もありますし、結構小さい子も多いので、その辺はどうなるか心配」と漏らす。
2025年10月、札幌中心部では毎週多くの人が集まり、鈴木知事の外国人問題への対応を批判し、リコールを呼びかけるデモが行われた。「鈴木!やめろ!」「直道!やめろ!」「鈴木直道!北海道の土地を守れー!」
そうした中、倶知安町は違法伐採を行った中国系の不動産会社J社と建設会社T社を刑事告発する方針を固めた。
文字一志町長は「本当はもっと早くにこういった意思が表明できれば一番よかったのかもわかりませんけれども、経過を見た中でこのままいったらどうなるんだろうみたいなところがやっぱり自分の中でも消え去らない。やらないと消え去らないだろうなと思ったので、これがもうリミットだなと」と決断の理由を明かした。
当事者たちの主張と錯綜する現場
