家族手当は全廃止&給料は自己申告制に→年間の人件費1000万円増でも…創業120年の缶メーカーの決断が従業員にもたらした“変化”

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■創業120年の老舗メーカーが断行した「家族手当の廃止」と「給料自己申告制」

側島製罐 代表取締役・石川貴也氏
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 2023年、家族手当を廃止した創業120年の缶メーカー・側島製罐。サラリーマンから家業を継いで経営者となった同社代表取締役の石川貴也氏は、「2023年に代表取締役に就任したタイミングで、会社から役職などを一切廃止した。給料も『自己申告』にして、手当も全部廃止した」と語り、「『そういうことになっているから』というのがすごく多くて、『(社員に)説明ができないな』と思った」と見直しの動機について明かした。

 「手当は本当に良いものなのか?」社員にも投げかけて話し合いを重ね、手当分は基本給に組み込むなど、損をする人がいないよう見直しを進めた。さらに「自己申告制」の給料制度を導入。社員自らが「今後どのような仕事をするのか」、そして「それに見合う給料はいくらなのか」を主体的に考えて申告する仕組みだ。

「給与制度とかをすべて刷新したタイミングで、それだけが理由ではなかったが、年間の人件費でいくと1000万円くらいその年は上がった。弊社は40人ちょっとの規模の会社で、結構上がって大変だった」

 それでも会社としてリスクを取る決断をしたことで、従業員には変化が現れたという。「責任もみんながちゃんと感じてくれて、覚悟を持って自分のやるべきことをやろうと、一緒にやってくれる感じはする」。

 こうした変化の背景には、石川氏の会社経営に対する思いがあった。「缶メーカーなので、缶は大事なものを入れるもの。『会社』というものが大きな器だと考えたときに、中に入っている人も大事にされなきゃいけない」。

 こうした取り組みを通じて、石川氏が大切にしていることがある。「給料について話し合うというか、言い合える場があるということ自体すごく大事じゃないかと思っていて、本人が『何で自分はこの金額なんだろう』と考えたりとか、『自分がほしい金額』と『自分がやっている役割』にギャップがあるならそこに気づいたりとか。そういうのを通じて本当に納得のいく金額や仕事を探求していく、そのような機会があるのはすごく大事なことだと思う」

「従業員を大切にしない会社は良いサービス・商品を提供できない」
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