調子のいい今シーズンはTwitterで毎日のようにトレンド入りする4文字「横浜優勝」。横浜DeNAの勝利を祝うこの言葉は、プロ野球界における一種のスラングのようなもの。日々の1勝をも、ファンは優勝と言って喜びを噛みしめている。

 「横浜優勝」の由来は、2003年シーズンにまで遡ると言われている。ペナント最終盤、横浜対ヤクルトの試合に、1位阪神の優勝がかかったことがあった。阪神のマジックは2で、優勝の条件が「阪神が勝利し、横浜がマジック対象チームであるヤクルトに勝つ」ことだった。果たして、先に試合が始まった阪神は赤星のヒットでサヨナラ勝ち。そして、あの1985年以来となる18年振りの優勝、それも甲子園での胴上げがかかるだけにすべての阪神ファンも注目することとなった横浜対ヤクルトは、横浜が勝利。これには横浜・阪神の両ファンが歓喜し、ネット掲示板には「ベイスターズ勝利!」「横浜勝利!」のコメントが踊るとともに「横浜が勝ったために阪神の優勝が決定した」略して「横浜優勝キターーー」といった言葉が飛び交ったのだ。

 さらに、まさか勝つとは思っていなかった横浜ファンがどさくさに紛れて確信犯的に「横浜優勝!」と言い出し、この試合の勝利を祝った。この年の横浜は首位阪神と42.5ゲーム差というダントツ最下位で、勝率の3割2分4厘が同年の首位打者の打率よりも低いことが話題になったほどの暗黒年。これほど注目された試合での1勝に歓喜するのも無理はない。かくして、横浜の1勝を祝う「横浜優勝」という言葉が誕生した。

 後づけで「横浜優勝」は「横浜が優れているから勝った」の略だと言う人もいるが、もともとはこのように勝利に飢え過ぎていた横浜ファンが単なる勝利を優勝のように喜んだことが発端。この50年間で1度しか優勝しておらず、暗黒と呼ばれるほどの時代を何度も経験した横浜ファンだからこそ生んだ言葉だと言えるだろう。この言葉が本格的に流行りだした2012~2013年頃も横浜は5~6位を行ったり来たりする苦しい時期であり、ファンの間では「横浜優勝」には「本当の優勝は祝えない」という悲哀も感じられた。しかし、アレックス・ラミレス監督が就任した昨年は見事3位でクライマックスシリーズに進出。今年も昨年以上の戦いぶりで、地元横浜でクライマックスが開催できる2位を射程圏内に捉えている。この2年間で、「横浜優勝」という言葉から、自虐や揶揄の意味合いは消え失せ、純粋にポジティブなワードになったと言えるのではないだろうか。

 ちなみに正式(?)には、顔文字っぽくスラッシュをつけて「\横浜優勝/」とつぶやくのが正しい。また、この言葉を面白がって、「あそこのラーメン屋マジでまずい。#横浜優勝」「昨日のテスト爆死。#横浜優勝」などとまったく関係ないツイートにハッシュタグをつける人もいるので注意が必要だ。とはいえ、もともと「3位おめでとう! \横浜優勝/」の時点で知らない人が見たら意味がわからないとは思われるが…。【大木信景(HEW)】

(C)AbemaTV

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