日本中の注目を集めた対局を制したイケメン棋士が、トップ棋士が編み出したオリジナル戦型「藤井システム」攻略に挑戦する。将棋の若手棋士7人と40代のトップ棋士がチーム戦で戦う「若手VSトップ棋士 魂の七番勝負」(AbemaTV)で、佐々木勇気六段(23)の対戦相手が、最高賞金を誇るビッグタイトル・竜王を独自の戦型で獲得した藤井猛九段(46)に決定した。将棋界で居飛車党が多数派の中、振り飛車でオリジナルの戦型を発案した藤井九段に対し「(他の若手棋士が)システムの攻略が難しいと思ったんじゃないでしょうか」と語った。同じ名字の中学生棋士・藤井聡太四段(15)の連勝を「29」で止めた佐々木勇気六段が、トップ棋士・藤井九段の戦型に真正面から立ち向かう。
世の中の「藤井聡太四段フィーバー」が最高潮の中、多数の報道陣を前に連勝を止める勝利を挙げた佐々木勇気六段。強心臓は自他ともに認めるところだが、将棋界の元祖・藤井とも言われる藤井九段との対局では、苦い経験がある。「公式戦で1度対局したのですが、その時は藤井システムに真正面から立ち向かわなかったんですよ。だから自分が振り飛車にして力勝負に持ち込もうとしたんですが、力でもかなわなくて。完敗でした」。自信のなさから不慣れな戦型を選び、結果は序盤で勝敗が決する完敗。だからこそ、今回の対局では逃げずに立ち向かうことを選択する。
大舞台で将棋を指すことの醍醐味の意味は、骨身に染みている。「やはり大舞台に立たないと、自分の将棋を見てもらうということがない。自分がひと回り強くなれる場だとも思いますし、そういう経験がないと強くなれないとも思います」と、今回の勝負の先に、さらなる成長も見込んでいる。振り飛車は将棋ソフトによる研究があまり進んでいない領域とも言われる。また、王位戦七番勝負では振り飛車党の菅井竜也七段(現王位=25)がタイトルを取ったことで注目も集めた。若手のホープが対振り飛車、対藤井システムを果たした時、その成長度合いは計り知れない。
(写真提供:日本将棋連盟)