タイトル通算98期。これは羽生善治二冠(47)が誇る将棋界の偉大な記録の一つだ。タイトル戦の奪取・防衛回数をそれぞれ「1」として積み重ねた数字で、2位は昭和の大名人・大山康晴15世名人の80回、3位は中原誠十六世名人の64回。現役では谷川浩司九段の27回、渡辺明竜王の19回が続くだけで、圧倒的な数字を残している。その羽生二冠がこのたび、竜王位への挑戦を決めた。
将棋のタイトルには、通算○期、連続○期など輝かしい獲得数を残した棋士には引退後に永世という称号で呼ばれるようになる。羽生二冠はもう一度竜王位を獲得すると「連続5期もしくは通算7期」の規定に従って永世竜王の称号を名乗る権利を得られる。羽生二冠は今年新設された叡王と竜王以外の6タイトルでは永世を名乗る権利を持っており、今度竜王位を獲得すれば前人未到の七大タイトルでの永世称号を与えられることになる。