男が惚れる男である。行方尚史八段(43)は、昭和の時代から継承されたような棋士の色気を漂わせている。
 若手棋士がトップ棋士に挑む「若手VSトップ棋士 魂の七番勝負」で、誰よりも先に対局相手を指名する権利を持っていた藤井聡太四段は、7人のベテランの中で行方八段との勝負を望んだ。理由を明快に語っている。「対局姿を生で拝見したことはないんですけど、映像や写真で見て、非常にカッコイイ先生だなと思っていたので」。