将棋棋士、八代弥六段の通算勝率は228戦144勝84敗の.632(2017年10月25日現在)。これでも十分な高勝率ではあるが、デビュー間もない若手たちがさらに高勝率を誇る中では、やや劣る。しかし、八代には大いなる実績がある。昨年度(今年2月)、全棋士参加棋戦の早指し棋戦「朝日杯将棋オープン戦」を制したことだ。
もちろん、増田康宏四段が新人王戦を連覇したことなども偉業だ。プライスレスな達成である。しかし、全棋士参加棋戦で優勝することは価値として、難易度として一段階上と言える。全棋士が参加して争われるということは、タイトルを獲ることと難しさとしては相違ないからだ。前年度まで羽生善治棋聖が3連覇していた棋戦での優勝と言えば、お分かりいただけるだろう。