本場所で大横綱を倒して、2場所連続優勝だ。大相撲の関脇・栃ノ心(春日野)が、平幕優勝を達成した初場所に続く連続優勝を目指し、稽古を重ねている。初優勝時には「あいさつに行ったり、食事に行ったり、結構忙しかった」というが、いよいよ大阪場所も直前となり、相撲に集中する日々が続いている。初めて経験した優勝の味を再びかみ締めるためには、幕内優勝40回を誇る横綱・白鵬という大きな壁を打ち破る必要がある。
新年早々の初優勝後は、とにかく大騒ぎだった。「優勝してから応援してくれる人が増えました。うれしいですね。場所が終わってから、2月も結構いろいろイベントにも行きましたね」と、優勝した力士しか味わえない多忙な日々を過ごした。あちらこちらから祝福の声を寄せられたが「優勝して部屋に帰った時、親方から『よくやりました』と言われて、すごくうれしかったですね」と、師匠・春日野親方の言葉は、今でもはっきり覚えている。同じく欧州出身の元琴欧洲・鳴戸親方からも祝福され「巡業や出稽古でも、よく一緒に稽古しましたから。うれしいです」と目尻を下げた。
春場所でもう一度賜杯を抱くには、大きな壁がある。白鵬だ。本場所では過去に25回対戦し、一度も勝てたことがない。14勝1敗で優勝した初場所では、白鵬が五日目から休場してしまったため、取組がなかった。栃ノ心に限らず、現在の幕内で優勝するためには、どうしても乗り越えなければならない相手だ。その横綱に、2月11日に行われた日本大相撲トーナメントで対決し、寄り切りで勝った。白鵬からも「自分の中で栃ノ心と逸ノ城が、毎場所優勝争いをしてくるんじゃないかと思う」という言葉が出るほど、力士間の評価は高まっている。
母国ジョージアには妻と愛娘がいるが、娘は生まれてからまだ会えていない。「子どもと会いたいですね。抱っこしたいです」。誰よりも応援してくれる家族のために、全力で2度目の賜杯を掴みに行く。
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