3月11日に初日を迎える春場所を前に、二所ノ関一門では5日、6日と2日間にわたって連合稽古が行われ、5場所連続休場中の横綱・稀勢の里は1日目は不参加。2日目は元気な姿を見せたものの、土俵に入ることなく独自調整に終始した。

 二所ノ関部屋で行われたこの日の稽古では、大関・高安をはじめ、玉鷲、竜電、琴奨菊らが精力的に申し合いで汗を流しているのを横目に、稀勢の里は入念な四股や摺り足、立ち合いの踏み込みを確認するような動きなど、基本動作のみで切り上げた。

 左大胸筋まわりの負傷から復活を目指す横綱はこれまで、本場所初日の概ね1週間前に開催される一門の連合稽古で関取衆と肌を合わせ、感触を確かめたうえで場所の出場か否かを決めてきた。しかし、今場所前は大事なこの時期に実戦形式の稽古を回避。

 「いつもと同じですよ。やるべきことをやるだけ」と表情こそ明るかったが、調整の遅れは否めない。師匠の田子ノ浦親方(元幕内・隆の鶴)は「場所まで時間は少ないが、何とか調整していきたい」とギリギリまで出場を模索する態度を示しているが、今のところ6場所連続休場が濃厚の情勢だ。

 「しっかり15日間を取り切る体づくりをしなければいけないが、思うようにいかない面もある」と横綱自身は回復に向けてもどかしさも感じているよう。

 初場所後の横綱審議員会で北村正任委員長は「15日間きちっと務め上げる自信、体力的、精神的にも『いける』という確信がなければ出てこなければいい」と春場所出場は厳命していない。ただし「同じことが繰り返されるようなら、そこで考えないといけない」と初場所のように次に出場する場所でも途中休場なら進退問題に発展することを示唆している。

 昨年春場所は劇的な逆転優勝で日本中を感動の渦に巻き込んだ“立役者”は、1年後の立場が一気に暗転。「期待に応えられるように、しっかり頑張りたい」と殊勝に語る横綱。我々はその言葉を信じて待つしかない。

(C)AbemaTV

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