小兵のイケメン力士として人気の炎鵬（宮城野）が、横綱・白鵬からの増量指令で、力強さを手に入れる。3月11日からの大阪場所で、新十両として土俵に上がる炎鵬は、相撲協会のホームページに掲載されているプロフィールでは体重91.1キロ。150キロ超がごろごろといる中では、かなりの小兵力士に数えられる。そんな炎鵬に白鵬から増量指令が出され、大阪入り後に「4キロぐらい増えました」と、手応えを感じている様子だ。
小兵とはいえ、目指す相撲は前に出る正攻法だ。自ら「力強い相撲で勝っていければ」とも話すだけに、大型力士と正面衝突した際の力不足は感じるところだ。横綱からは「とにかく食べろと言われています。食が細いので1回でそんなに食べられないのですが、細かく分けて食べています」と、食べる苦労も感じながら、必死に増量を目指している。
アドバイスする白鵬自身も、入門時の体は細かった。「私も（当時は）62キロだったのに、今はこれですから」と、156キロにまで大きくなった体をさすった。「炎鵬は今の体重で関取をつかんだ。でも定着するためには、筋力だけでなく体力も大きく増えていかないと活躍できないと思う。体重の力は違うものがあるし、相撲の幅が広がっていくと思う」と、絶対的な重量が現在の相撲においては重要だと説明し続けた。
新十両として、今場所は初めて15日間休みなく相撲を取り続ける。連日の取組で、場所中に体重を減らしてしまう力士も多い。せっかく増やした4キロを維持するのも、最初のうちは難しいかもしれない。「15日間しっかり相撲を取り切ること、そして勝ち越しできるように頑張りたいです」という23歳の若者が、心身ともにどこまで大きく成長するか注目だ。
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