大阪で一足早く、阪神の開幕戦?プロ野球の話ではなく11日から始まった大相撲春場所のことである。今場所、朝塩本から改名した朝阪神が土俵に上がると観客もまばらなまだ午前10時前だというのに、客席の四方八方からはカメラフラッシュが焚かれ、「朝阪神~!」という声援も飛び交った。
開幕戦ならぬ初日の相撲は相手の山藤をがっちり組み止め、危なげなく寄り切るかに思えたが、土俵際で逆転の上手投げで“改名デビュー戦”は惜しくも黒星となってしまった。
四股名でも察しがつくように生粋の阪神タイガースファン。下の名前も本名の直輝から「虎吉」に変えるという徹底ぶり。出身は大阪府泉大津市で、両親の影響もあって物心ついたときからの“虎党”である。特に金本監督は現役時代からの大ファンだった。金本監督といえば、選手として連続試合出場記録を打ち立てたことで有名だが、朝阪神も2016年春場所の初土俵以来、1日の休場もなく、こちらも連続出場を更新中。
地元開催のご当所場所での改名はタイミング的にはドンピシャだ。プロスポーツ選手は実力もさることながら、顔と名前を覚えてもらってなんぼの世界。大阪のみならず、全国の相撲ファンからは強烈なインパクトも伴って、四股名も覚えてもらえることだろう。すでに所属する高砂部屋では兄弟子たちから「ハンシン」と呼ばれているという。
今はまだ“珍名力士”として話題先行の感は否めないが、改名がきっかけで飛躍する力士は少なくない。朝阪神もあやかりたいところだ。
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