聞いた瞬間よりも、聞いた後で時間が経てば経つほど響いてくる言葉というものがある。藤井聡太七段はまだ15歳だが、時々そのような言葉を残す稀有な棋士である。
 11日、名古屋市のホテルで開催された昇級・昇段祝賀会に先立って行われた会見でのことだった。質疑応答の途中、5日の第31期竜王戦ランキング戦5組決勝で石田直裕五段(29)に勝利した際の終盤戦で指した「△7七同飛成」についての質問があった。「神の一手」としてファンの間で話題になっているが…と尋ねられ、彼は言った。