この苦境を打破するには、やはり主砲&主将の力が必要だ。借金7のリーグ5位と苦しむ横浜DeNA。27試合行われる8月で反攻を誓ったラミレス監督だが、いきなりの同一カード3連敗でつまずいた格好だ。先発投手陣の不調で、打線もつながらない中、一気にこの空気をがらりと変えられるのは、4番であり、チームの主将でもある筒香だ。球団OBで野球解説者の多村仁志氏は、不調がささやかれた主砲について「打ち方どうこうではなく疲れなので、心配していないです」とし、また主将としては「(これからチームを)鼓舞しようと何か言うと思います」と語った。
![今こそ主砲&主将の頑張り時 横浜DeNA筒香にOB多村仁志氏「キャプテンという存在が大事」](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/7/8/724w/img_78ab29b0a8ca3ebadac8b3365666bdd9644093.jpg)
球界を代表する打者だけに、快音からしばらく遠ざかると「不調」と囁かれるのが宿命でもある。多村氏は「状態はよくないとは思います。下半身に疲れが来ているのでは。ケアもしているんでしょうけど」と語った。その上で、技術的に微妙なずれが生じてはいるものの、大きな問題ではないという。「(本来は)簡単に直せるようなもの。疲れがあるから直せないということ」で、コンディションさえ整えば、豪快な打撃は復活すると見ている。
復調を断言するのは、春先に取り組んだ新打法があるからだ。キャンプ、オープン戦、そして公式戦と、昨季までとは異なるフォームで臨み、現在はほぼ従来のものに戻った。「シーズン最初にいろいろ試したことで、引き出しが増えたと思います。むしろ数字が伸びなかった時期にフォームを戻して、この数字を残していることがすごい。僕はいいシーズンを送っているんじゃないかと思いますよ」と語った。わずかな狂いで急に打てなくなるプロの世界。その修正を学んだことも、大きな価値があるという。
主将としても、今は声を出すタイミングだ。「僕がホークス時代は、小久保さんが何かある度に、選手をミーティングルームに集めて、話をしていましたね」と、後に日本代表の監督も務めた男のキャプテンシーを例に挙げた。「年齢とかそういうのは関係なくて、キャプテンと呼ばれる存在は大事なんです」。26歳の筒香とはいえ、若いチームの中では名実ともに中心であることは間違いない。ファンを沸かす豪快な一発と、チームを鼓舞する一言。それがそろえば、チームは自然と1つ1つ階段をあがっていく。
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