とにかく必要なのは先制点だ。下位に沈む横浜DeNAに、球団OBでもある野球解説者・多村仁志氏が、顔ぶれは迫力がありつつチームを勝利に導けていない打線について「前半での先制で(試合の)アドバンテージを取れていない」と指摘した。序盤に先発投手が失点、中盤以降になんとか1点、2点と取り返すも、追いつけない展開で負けが続くチームに「やっぱり先制点ですね。試合の後半にはつながるのですが」と、早いイニングでの2018年版マシンガン打線の爆発に期待をかけた。
![必要なのは先制パンチ!打線苦しむ横浜DeNAに多村仁志氏「前半でアドバンテージを」](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/7/a/724w/img_7a1f4728b7fbc962a353dbb879cf67ca473989.jpg)
なかなか「点」が「線」にならない。チームの本塁打数は首位広島に次ぐ2位の111本。3番ロペス、4番筒香、5番宮崎に加え2番に強打のソトを加えた打線は、セ・リーグの中でも迫力満点だ。ところが得点で見るとリーグ5番目。一発こそ出るものの、ビッグイニングにはなっていない。また多村氏は「打線が序盤につながらず、後半にはつながる、という感じ。後からじわじわ来るという怖さはあると思いますが…」と、相手の出鼻をくじき、チームに勢いを与える先制点が少ないことを気にかけた。
もちろん対策は練っている。試合前にはミーティングが行われ、対戦する投手の傾向などを頭に入れる。そこからは試合で実践できるかどうか。「このピッチャーは低めの変化球を捨てていこうとか、球が速いから逆方向を意識しようとか。ミーティングで言われたことを、みんな同じ方向に向いてできるかということなんだと思います」。当然、打者陣も分かっていることだろうが、相手もプロの投手。打たせまいとあの手この手を出してくる。ただ、そこを上回っていかない限り、チームは遠くに見える優勝どころか、Aクラス入りによるCS進出からも遠ざかってしまう。
ラミレス監督も誤算であろう、先発投手陣の不振は春先から長引き、本調子を取り戻すには、もう少し時間がかかりそうだ。そういう時こそ、チームを支えるのは打力。不振と言われる主砲・筒香についても「技術的な問題はありません。打ち方というよりは、疲れが出ているだけだと思う。だから心配はしていません」と、復調を疑わない。記録的猛暑が続く日本列島で行われるペナントレース。この暑さを吹き飛ばすためにも、まだ空が明るいうちに取る点こそが、何よりの活力になりそうだ。
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