その瞬間、横浜DeNA先発・東が、グラブで顔を覆って天を仰いだ――。
17日に行われた横浜DeNA対広島16回戦の5回、広島の攻撃で丸が26号2ランを放った。2点を失うも粘りの投球を続け、躍動感を増しつつあった東にとっては痛い一打となったが、この場面にAbemaTVで解説を務めていた野球解説者の高木豊氏が言及。「これが広島打線の怖さ」と指摘した。
この回の先頭打者、8番・キャッチャーの石原がサード宮崎を強襲する内野安打を放つと、続くピッチャーの野村は送りバント。1番・田中を空振りの三振に打ち取って2死とするも、2番・菊池にレフトへのタイムリーヒットを浴びた。続く3番・丸の初球、131kmのスライダーが肩口から甘く入ると、ライトスタンドへ飛び込む2ランで1対4となった。
この場面について高木氏は「完全に変化球を狙われていた。このボールを打たないと、今日の東は打てない。そんなスイング」と切り出すと、広島打線の怖さについて語り始めた。
「東は菊池に対して相性は良かったが、タイムリーを打たれた。そのショックを引きずったままの状態で投じた初球。見事に付け込んできましたね。その抜け目の無さが、広島打線の怖さですよ」
そう話すと、さらに視点を切り替えた高木氏は、横浜DeNAが抱える課題について次のように続けた。
「本来であれば、初球に何を待っているか様子を見るべき場面。それができなかったことが悔やまれます。個人的にはそこに横浜DeNAが抱える『捕手固定』の課題があると感じています。捕手を固定すると、経験の上積みができます。しかし、投手と同じように捕手が混乱しては、収拾がつかない。少なくとも今の嶺井には、その経験や慎重さ、洞察力が足りません」
チームは8回裏、主軸の3連発を含む6連打で一挙6点を奪い、首位・広島との3連戦初戦で劇的勝利を収めた。しかし7回を投げて111球、本塁打1本を含む被安打8を許すも、11奪三振を奪った東は、粘投及ばず、5回の攻防に涙をのむ結果となった。
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