将棋の最年少棋士・藤井聡太七段(16)が8月31日、自身最後の出場となる若手棋戦・新人王戦の準々決勝で、近藤誠也五段(22)を下し、準決勝進出を決めた。藤井七段は、驚異的なスピードで昇段した結果、3つある若手棋戦(新人王戦、加古川青流戦、YAMADAチャレンジ杯)のすべてで参加条件を飛び出してしまい、資格を失う前に出場が決まった新人王戦が、最後の若手棋戦となっている。準決勝では、青嶋未来五段(23)と対戦することが決まった。
![藤井聡太七段、最後の若手棋戦でベスト4 棋戦2度目の優勝へ前進/将棋・新人王戦準々決勝](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/6/1/724w/img_61665feeca4af6b6b54554b2fc5e4970417977.jpg)
今年2月に朝日杯将棋オープン戦で、一般棋戦初優勝を果たした藤井七段だが、3つの若手棋戦では優勝歴なし。加古川青流戦、YAMADAチャレンジ杯、新人王戦と、昨年はすべてベスト8止まりで、このうち加古川青流戦、YAMADAチャレンジ杯は、昇段により早々と参加資格を失い、今期は不出場。唯一参加できた新人王戦も今回がラストチャンスだが、ベスト4に進むことに成功した。対局後は「お互いの玉が薄い形で戦いになったので、均衡を保つのが難しい将棋でした。中盤は一手一手難しかったです」と振り返った。またベスト4進出には「(決勝の)番勝負に出ることができるように全力を尽くしたいと思います」と語った。今年度の成績は21局で18勝3敗、勝率.857。通算でも104局で89勝15敗、勝率.856と、群を抜く成績を残している。これで公式戦は8連勝だ。
新人王戦は26歳以下、六段以下といった若手棋士による棋戦で、今回で49回目。過去には森安秀光九段、森内俊之九段、藤井猛九段が3回優勝しているほか、羽生善治竜王、佐藤天彦名人、渡辺明棋王など、後に数々のタイトルホルダーを輩出している若手の登竜門というべき棋戦。ここ2年は「東の天才」と称される新鋭、増田康宏六段が連覇している。
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