居反りなどアクロバティックな相撲で観客を沸かせ、金星も獲得した宇良が丸1年ぶりに土俵に帰ってきた。前頭四枚目だった昨年秋場所、右膝の負傷で途中休場し、患部の手術に踏み切った。その後は地道なリハビリに励み、もともとストイックな性格だけに徹底した筋力トレーニングで自身をとことん追い込み、体つきは全体的に一回りも二回りも大きくなり、まるで別人の姿で戻ってきた。
 6場所連続休場で番付は一気に降下し、今場所は序二段も近い三段目九十一枚目。1年ぶりの実戦に「すごい緊張した。不安しかなかった」と語っていたが、立ち合いで思い切り当たると左からのいなしで相手の体勢を崩し、最後は右を差して寄り切る危なげない相撲で復帰戦を白星で飾った。