年俸○億円という選手が多くいる日本のプロ野球界でも、その選手を探してくるスカウトの現場では、経費節減の流れが強まっているようだ。元阪神スカウトで、数々の名選手を発掘した菊地敏幸氏によれば「経費の問題はシビアになっていますよ」と、効率よくスカウト活動を行うようになってきたという。

菊地氏は9月18日に行われた六大学野球秋季リーグを中継していたAbemaTVに解説として出演。視聴者から「スカウトは全国にいるのか」という質問を受け「関東、関西というように拠点にしているところもありますね」と答えると、「結構長く、遠征にも出るんですよ」と現状を紹介した。
12球団で100人前後いると言われるスカウトだが、東北、監督、関西、九州といったように、担当エリアが決まっていることが多い。これはスカウトの出身地、母校など、それぞれの「利」を生かして配置されることも珍しくない。「東北福祉大のOBは仙台在住っていう人も増えていますね」と、宮城県・仙台を拠点に東北、さらには北海道エリアまでをカバーするスカウトもいる。「大阪に自宅があるスカウトでも、九州担当だと行ったり来たりが大変なんで、博多にマンションを借りて拠点にする人もいますよ」と、自宅以外の拠点を設けるパターンもある。
パソコンにスピードガンなど、もろもろ入った重いバッグを持ち運びながら、隠れた逸材を探し回るスカウトは、グラウンドで必死にプレーする選手たちとは、また違った戦いをしているようだ。
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