大の相撲好きで知られる「高須クリニック」の高須克弥院長が、十両で奮闘する39歳の大ベテラン安美錦(伊勢ヶ濱)について「しょっちゅう壊れているように見えるけど、あれは弱ったふりかもね」と目を光らせた。
場所中は、最前列の「砂かぶり」で迫力ある力士のぶつかり合いを見続けているが、やはり医師だけに、力士の体には視線が行く。「人によってタイプは全然違いますけど、格闘技はやっぱり下半身。上半身だけ鍛えてあっても、下半身が弱いと寿命が短い。見ていても腰がしっかりしている人は分かります」。美容整形の道に進む前は、整形外科からのスタート。格闘技のリングドクターを務めたこともあり、力士の肉体には常に関心がある。8場所連続休場から復活を目指す横綱・稀勢の里についても「(胸の)肉離れは安静にしておけば必ず治るけど、筋力は落ちる。筋力をつけながら治そうとするから治らない。今は思いっきり休ませたから、けがは改善したと思うけど、筋力と相撲勘が戻っていないのでは」と、和製横綱の現状を見極めた。
そんな高須院長が、ひと際気になっているのが「曲者」「行司泣かせ」など、数々の異名を持つ安美錦だ。9月19日、AbemaTVの中継にゲスト出演するために両国国技館を訪れた際も、大ベテランの両膝は大きなサポーターで覆われていた。ところがこれに「鳥のヒバリみたいに、卵や雛をヘビから守るために、弱ったふりをしているのかもしれないね」と語り出した。これは「擬傷」と呼ばれるもの。安美錦は実際に膝を痛め続けているが、その程度は本人にしか分からない。「十両に行くと強いもんね。十両の人はみんなぶつかってくるけど、あの突進をひょいとかわすのは芸術的。みんな騙されちゃいけないよ(笑)」と楽しげに語り続けた。
高須院長であれば、安美錦の膝が100%健康な状態ではないことは承知の上。その上で「もしかしたら…」と思った方が、ファンとしてはより楽しめる。ベテラン好角家ならではの注目ポイントだった。
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