バット1本でプロ野球を生き抜いた男に、高校からの先輩が引退を惜しみつつ、その功績を称えた。右の強打者として活躍した解説者の多村仁志氏が、横浜高校の後輩でさらに横浜DeNAでチームメイトになったG後藤武敏内野手が引退することについて「これだけ長くプロ野球の選手としてやれたのは、彼の努力しかないと思う。代打で結果を出すのは、レギュラーよりも難しいと思います」と語った。代打の切り札として、またムードメーカーとしてもチームの貴重な存在だったG後藤からは、引退会見前に連絡を受けていたことも明かした。

 9月10日、球団から今季限りの引退が発表される前、電話でその報告を受けていた。「引退を公表する前に事前に連絡をもらいました」。同じく横浜高校卒で、横浜DeNAでプレーした小池が引退を決めた際には「3人で食事をしながら、小池の現役続行か引退かを3人で泣きながら話し合った事もありましたね。一緒に過ごしてきたかわいい選手、後輩でした」と、当時を振り返った。

 持ち前の明るい性格でベンチでは声を出し、監督・コーチから声がかかれば、バット1本持って打席に向かう。「後輩の面倒もよく見るし、気も利く、チームから重宝される選手。レギュラーとしてより、代打で出たシーズンの方が長い選手ですが、首脳からすればいつでも声をかけて結果を出してくれる、そういう選手だったと思います」と、必要な時に求められた結果を出してきたG後藤の功績を称えた。

 同じ右打者、さらに背番号「6」をつけたこともあり、他の後輩以上の縁のようなものも感じてきた。だからこそ、引退の連絡を受けた時は真っ先に「まだやれるだろう、本当に代打でここまでできる選手は、そうそういないからな」と伝えたという。「2軍の成績も悪くなかったし。ただ彼に聞いたら(1軍に上がれなければ辞める)そういう覚悟で今年1年やっていたと。残念ではあるけれど、電話先の声が“やりきった”ように聞こえたので、最後は素直にお疲れ様と言いました」と、労をねぎらった。

 プロの世界で戦う選手たちで、心底「やりきった」と思える選手などほとんどいない。プロ野球の平均在籍年数は約8年。半数以上は、30歳を前にユニフォームを脱ぐ。「僕もそうだったんですけど、100%やりきったというか、そういう晴れやかな感じにはならないかもしれないですね。でも“引退”ができる人はそんなにいないですから。フェードアウトしていく選手が多い中で、引退試合までできるのは最高なことだし、球団にも感謝しないといけないですね」と、16年間プレーできたこと、花道を飾れることの大きさを語っていた。

(C)AbemaTV

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