パワー、スピード、テクニックなど、日本の野球にはないものが見られるMLBだが、その選手たちを見つけてくるスカウトも、まさに「メジャークラス」だった。元ロサンゼルス・ドジャースの日本担当スカウトで、現在はアリゾナ・ダイヤモンドバックスの顧問を務める小島圭市氏(50)が、その規模について指名直前の繁忙期には「各チーム50~60人ぐらいになります」と、期間限定のスカウトも加えた体制で取り組むことを紹介した。

例年10月にドラフトが行われるNPBとは異なり、MLBでは6月上旬に3日間に渡り行われる。球団数が30、指名も40巡、一気に1200人ほどが指名されるだけあって、国内だけでなくカナダ、プエルトリコ、さらに日本を含むアジアまで調査の範囲を広げるとなると、スカウトの人数も日本の野球とは比較にならない。9月24日に行われた六大学野球秋季リーグで、AbemaTVの中継に解説として登場した小島氏は「毎年1月くらいからスカウト活動が活発になるんですが、その時はフルタイムで契約しているスカウトは1チームあたり10~20人ぐらい。それが6月が近づく4月くらいには、パートタイムでさらに雇うんです。そうなると、各チームは50~60人ぐらいになりますね」と、大所帯になるという。
MLBのドラフトは、1巡目に入札・抽選があるNPBと異なり、完全なウェーバー方式。球団数も多いことから、仮に10番目、20番目の球団となった場合には、NPBのドラフトで競合になるような選手の獲得を検討したところで、意味がない。「確実に1位で消える選手を追っても仕方がないので、シミュレーションをずっとやるんですよ。この選手が取られたけどA、B、Cが残った時に誰を取るか。そこでスカウトの力が試されるんです」と、MLBならではの戦略を説明した。
なお、期間限定で増員したスカウト陣は、新たに発掘するだけでなく、これまでリストアップした選手の再チェックも行うという。「スカウト部長とかは、アメリカ中行きますからね。忙しい時は、月に100回近く飛行機に乗ると聞いたことがあります」と、1日3回以上も飛行機に乗って、まさに飛び回るそうだ。
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