日本に生まれた新たな麻雀プロリーグ「Mリーグ」において、10月1日の開幕前から最も注目を集めたのは、俳優・萩原聖人のプロ雀士宣言と、Mリーグ参戦だった。果たしてどこが指名するのか。競合を恐れず、1位で単独指名をゲットしたのは電通「TEAM RAIDEN/雷電」だった。チーム担当者はMリーグについて、「知的スポーツとして健全な麻雀を普及させ、将来的にはオリンピック競技を目指すという点には、会社として賛同致しました」と参戦理由を明かした。知名度抜群の俳優雀士を軸に、目指すのは初代王者とMリーグの柱の1つとなっている「脱ギャンブル」の成功だ。
世間に話題を提供し、消費者ニーズを感じ取り、効果的な広告を打つ。日本最大の広告代理店であるからこそ、世間一般が持つ麻雀のイメージも、しっかりと把握している。「これまではやはりギャンブル、賭け事のイメージが世間的には圧倒的だと思います。私個人としては麻雀ほど奥深く、人生にも役立つ面白いゲームはないと思っています。まずは麻雀というものを少しでも多くの人に知ってもらい、触れてもらいたい。それによってゲームとして身近なもの、自分でも出来る面白そうな遊びというイメージを持ってもらいたい。Mリーグにはそのきっかけとなれる可能性を感じます」と、従来のイメージを一新する未来を想像している。
Mリーグ側も、あえて真正面から「ゼロギャンブル宣言」を打ち出し、賭博行為をした選手については、厳しい罰則を設けることを発表している。「ゼロギャンブル宣言は今回のMリーグを成功させるに当たって最も重要なポイントだと思います。麻雀の社会的地位向上もMリーグの成功も、まずは世間的にギャンブルの認識が大きい麻雀のイメージを変えることが何より大切だと思うので、パーセプションチェンジの考え方には大きく賛同致します」。これは単にイメージアップというだけではなく、リーグ運営のためのスポンサー獲得、さらにはそこから捻出される選手の年俸などにも紐づくものだ。
時を同じくして、庶民の娯楽であったゲームが「eスポーツ」という名のもとに、タイトルごとにプロリーグがいくつも誕生した。大手広告代理店としても、この動きは麻雀にも参考になると考えている。「麻雀が社会的市民権を得るためにも、やはりeスポーツのようにメジャーなスポンサーがリーグやチームに付けられるといいなと思います。また、eスポーツはじめ、スポーツは観客が会場でライブ観戦するのが当たり前ですが、麻雀はゲームの性質上それが難しい。パブリックビューイング会場を設置することになりますが、このあたりの観客施策をもう少し考えていきたいと思います」と、既に興行としての可能性も模索し始めている。
MリーグはAbemaTVで全試合中継することが決まってはいるが、リーグさらには麻雀の認知を改めて高めるためには、テレビ局はじめメディア露出も増やすべきだという。また、社会的地位・認知の向上が、Mリーグが掲げる大きな目標、オリンピック競技化にも進むことになる。オリンピック関連事業を手がける電通ならではの発想だ。
麻雀の発展、Mリーグの成功を祈りつつ、やはり主役は自分であるに越したことはない。「萩原聖人選手は、天性の勝負強さとひたむきに打つ姿は好感が持てます。2位の瀬戸熊直樹選手は、言わずと知れた現役最強雀士の1人で、爆発的攻撃力と安定感がある。3位の黒沢咲選手は、女流の中でトップクラスの実力があり、持って生まれた天運も兼ね備えた才色兼備の美人プロです」と、最強の3人を揃えた自負もある。「Mリーグが話題に上がるようになることが最大の目標です。もちろんチームの戦いとしては、優勝を目指す以外にありません!」。麻雀の新世界が始まる今、電通・TEAM RAIDEN/雷電が、そのど真ん中を目指して突き進む。
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