プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」10月23日の1回戦が行われ、セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)がわずか800点差の逃げ切り勝ちで自身3勝目を挙げた。終盤には、あえて安い手に振り込むことで逆転のピンチを凌ぐなど、ベテランらしい打ち回しを披露。会心の麻雀に、終局後のインタビューでは「マイナス返済人として頑張ります」と舌も滑らかだった。
対局者は起家からEX風林火山・勝又健志(連盟)、セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)、TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)、U-NEXT Pirates・石橋伸洋(最高位戦)。まだまだ序盤とはいえ、ファイナルシリーズ進出(4位以内)を争う3位から6位までのチームの対決となった。
東2局1本場、親番の近藤は役牌を鳴き、手牌の赤ドラを活かしてカンチャン待ちのテンパイ。終盤までなかなかアガることができなかったが、途中で待ちを変えたことが功を奏して瀬戸熊の放銃を引き出す。白・ドラ2の5800点(+300点、供託1000点)でトップに立つと、続く2本場では石橋とのめくり合いに気合のツモで勝利。発・チャンタ・ドラ2で1万2000点(+600点、供託1000点)を加え、一挙に大きなリードを築いた。
そこから近藤はアガリに見放され、我慢の展開に。「いつ逆転されてもおかしくない。ギリギリでした」という本人の回想通り、南3局1本場を迎えたときには2位の石橋との差は7000点まで縮まっていた。この局面で、親番の石橋から7巡目にリーチがかかり大ピンチに陥ったが、近藤の頭脳はクレバーに状況を見極めていた。
直前にチーをして安手でのテンパイが濃厚だった勝又のアガリ牌と打点を完璧に読み切り、現状のリードを守るための意図的な振リ込みで、最小限の失点で回避。「石橋さんのリーチが入っていたので、できれば勝又さんに安くアガってもらいたいと思っていた」という近藤の目論見通り、出費をタンヤオ・ドラの2000点(+300点、供託2000点)に抑え、石橋の連荘を阻止してみせた。玄人好みのハイレベルな“差し込み”に視聴者も感嘆していたようで、「近藤さんうますぎる」「狙い通りか」「これはたまらんわ」といったコメントが無数に寄せられていた。
その後のオーラスでは石橋にアガリを許したものの、わずか800点差で図ったように逃げ切った近藤。自身5戦3勝、勝率6割という大活躍でチームランキングを上げ、さらに個人成績でも渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)に次ぐ2位に浮上した。今後は周囲のマークが厳しくなることも予想されるが、本人は「結果は後からついてくるもの」とどこ吹く風。飄々とした“麻雀ジェントルマン”の活躍から目が離せない。
【1回戦結果】
1着 セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位)3万4000点/+54.0
2着 U-NEXT Pirates・石橋伸洋(最高位戦)3万3200点/+13.2
3着 EX風林火山・勝又健志(連盟)2万4800点/▲15.2
4着 TEAM雷電・瀬戸熊直樹(連盟)8000点/▲52.0
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。