プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」10月23日の2回戦が行われ、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)が自身6戦目にして念願の初トップを獲得した。チームとしても15試合ぶりの勝利となり、惜敗続きに終止符を打った朝倉は、試合後のインタビューで「めちゃくちゃ嬉しい」と安堵の笑顔を見せた。
対局者は起家からEX風林火山・勝又健志(連盟)、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)、U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)、セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)で、勝又のみ1回戦からの連投。萩原以外の3人はいまだ未勝利、萩原もマイナスが膨らんだ状況ということもあり、全選手にとって喉から手が出るほどトップが欲しい中での対局となった。
朝倉はここまでの5試合で4度の2着、さらにU-NEXT Piratesは同日に行われた1回戦の石橋伸洋(最高位戦)も含めて17試合で9度の2着と、デジタル派らしい安定感で善戦こそするものの勝ち切れない状況が続いていた。視聴者からも「パイレーツまた2着」「2着率50%超え」とコメントで言及される中で、天鳳位を2度(初代、11代)に渡って獲得した“ASAPIN”こと朝倉が意地を見せた。
東4局で形式テンパイを追い求めた結果、勝又にリーチ・中・ドラ2の8000点を振り込んでしまい、ラスで南場を迎えた朝倉。しかし南1局、リーチなしでも跳満確定の大物手が入った。「テンパイ気配を殺してスキを作らないように」という苦心が結実し、トップ目だった萩原からタンヤオ・三色同順・ドラ3の1万2000点を直撃。一気に上位争いに参入した。
さらに南2局1本場では、親番の萩原から最低でも1万2000点の仕掛け(役牌・ドラ3をポン)が入る中で、アガリ牌の残り数で自身が有利と分析した朝倉は怯むことなくリーチを選択。分析通りのツモアガリで、リーチ・ツモ・ピンフ・ドラ1の5200点(+300点)を加点。勝又を逆転してトップに立った。
その後、南3局で勝又の七対子に放銃して僅差の2着で迎えた南4局1本場。イーシャンテンの好配牌を手に入れた朝倉は、早くも4巡目でリーチ。ここでリーチ・ドラ1の2600点(+300点)をしっかりとアガり切り、勝又を再逆転。好機を見逃さない冷静な麻雀で序盤の出遅れを挽回し、見事に初トップを獲得した。
試合後、ファンに向けて「苦しい試合が続いていて、すごく焦れったい思いをさせてしまいました」と呼びかけた朝倉は、初勝利の味を噛み締めながら「次は小林さんにトップを取ってもらって、決勝リーグ、優勝を目指していきます」とあらためて宣言した。超一流のデジタル雀士が揃っていたこともあり、開幕前は優勝候補の呼び声も高かったU-NEXT Pirates。この勝利でチーム成績もプラスに転じており、今後はさらに安定した戦いで優勝争いに加わってきそうだ。
【2回戦結果】
1着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)3万2800点/+52.8
2着 EX風林火山・勝又健志(連盟)3万1200点/+11.2
3着 セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)1万8100点/▲21.9
4着 TEAM雷電・萩原聖人(連盟)1万7900点/▲42.1
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
【10月23日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS +334.0(16/80)
2位 赤坂ドリブンズ +125.7(14/80)
3位 EX風林火山 +16.5(16/80)
4位 U-NEXT Pirates +12.2(18/80)
5位 セガサミーフェニックス ▲17.4(14/80)
6位 TEAM雷電 ▲77.1(16/80)
7位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲393.9(18/80)
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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