25日夕方、プロ野球ドラフト会議が開かれ、甲子園を沸かせたヒーローや、大学・社会人で活躍した実力者たちの運命が決まった。 AbemaTV『AbemaPrime』では、そんなドラフト会議を独自目線で徹底分析した。
"超豊作"とも言われる今年は、とりわけ金足農業の吉田輝星投手、大阪桐蔭の根尾昂内野手、藤原恭大外野手、そして報徳学園の小園海斗内野手の"高校四天王"に熱い視線が注がれた。
吉田投手は2巡目で日本ハムが交渉権を獲得。その吉田投手と夏の甲子園決勝で熱戦を繰り広げた根尾内野手は中日・ヤクルト・巨人・日本ハムの4球団から1位指名を受け、くじ引きにより中日が交渉権を引き当てた。また、藤原外野手はロッテ・楽天・阪神の3球団による交渉の末、事前に1位指名を公表していた千葉ロッテが交渉権を獲得した。そして報徳学園・小園内野手は根尾内野手同様にオリックス・DeNA・ソフトバンク・広島の4球団が1位指名し、広島が交渉権を獲得した。
『勝てる野球の統計学』の著者で、統計学的手法を野球チーム経営などに応用する「セイバーメトリクス」の第一人者である鳥越規央・江戸川大学客員教授は「普通はピッチャーや大学生の即戦力選手で競合することが多いが、今回は1巡目で12球団のうち11球団が高校生の野手を指名した。前代未聞のドラフト会議で、驚きをもって見た。一方、西武が即戦力の日体大・松本航投手を指名するなど、各球団の弱点と言われる部分をしっかり埋めるような指名ができていて、非常に良かったと思う」と評価する。
アマチュアからプロまで網羅する"全方位型野球女子"で、"3度の飯より野球が大好き"だという山本祐香さんはアマチュア野球の球場で選手たちを直に取材、人柄や努力をしている様子などに着目するといいい、とりわけ松本航投手とともに日体大で"二枚看板"として活躍していたロッテ2位指名の東妻勇輔投手の今後に期待を寄せていると話す。その上で山本さんは「11球団が高校生ということ、根尾選手が多いだろうという事前報道に反して藤原選手が多かったことに驚いた。オリックスは即戦力の社会人投手を獲ることが多かったが、今年は高校生の内野手。例年に比べて意外性があって面白かった」と振り返った。
また、103年ぶりに秋田県勢を甲子園決勝まで導き話題を呼んだ吉田投手が1巡目でどの球団からも1位指名されなかった点について鳥越氏は「データによると、今年の夏のストレートによる空振り率は11.6%と非常に高く、すごいものを持っている。ただ、スライダーでは12%、スプリットでは9%しか空振りを取れていない。各球団はこの変化球の決め手のなさから二の足を踏んだのかなと思う」と分析、山本さんは「すごく良い選手だということはどの大学も球団も分かっているが、伸びたのは夏前。なので、良い選手だけど、さらに急に良い選手になって、スターになったという一時的なもの、という考え方もできる。伸び代の部分でどういう風に見たかというのが各球団で違ったのかと思う」と指摘した。
さらに番組では、映画『マネーボール』でも扱われ、メジャー球団も注目している「セイバーメトリクス」を用いて、鳥越氏に選手たちの今後を予測してもらった。
まず出塁率と長打率を足した指標OPS。鳥越氏によると、これが1を超えると超一流のバッターという評価になるといい、高校野球レジェンドたちの数値を見てみると、清原和博氏1.545、筒香嘉智選手1.512、清宮幸太郎選手1.479、松井秀喜氏1.398、中田翔選手1.215となっている。今回1位指名を受けた選手たちについては「ホームランの数が物足りない」(鳥越氏)ということもあり、小園内野手1.236、根尾内野手は1.085、藤原外野手は0.980という数値となっているが、活躍が大いに期待ができそうだ。
一方、投手については被本塁打、与四球、奪三振の観点から算出したFIPという指標を使うという。低いほうが良く、1点台を出すのは難しいといが、今回のドラフト会議で日本ハムに5位指名された大阪桐蔭の柿木蓮投手は1.70、DeNAに1位指名された上茶谷大河選手は1.81と非常に高い数値を示している。ちなみに過去のレジェントたちは松坂大輔投手2.10、ダルビッシュ有投手2.33、田中将大投手2.33、桑田真澄氏2.49、斎藤佑樹投手2.87となっているため、こちらも期待ができそうだ。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
▶放送済み『AbemaPrime』は期間限定で配信中
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側