8日午前、カルロス・ゴーン容疑者の勾留理由を開示するための公判が開かれた。「勾留理由の開示」とは、通常の裁判と同じように公開された法廷の場で、裁判官が検察による勾留を認めた理由を明らかにする手続きのこと。しかし、この手続きが請求されるのは全体のわずか1%未満となっている。
 一般的に、勾留理由を裁判官が明らかにするといっても「証拠隠滅の恐れがある」などの抽象的な理由が示されるだけで、容疑者にとってはあまりメリットがない。さらに、容疑者は逃亡防止のため手錠と腰縄をつけた姿を法廷に晒すことになる。「犯罪者」というネガティブなイメージが強調される恐れがあるため、実際に勾留理由の開示を請求する人は少ない。