持ち時間5分、1手につき5秒が加算される超早指し戦「第2回AbemaTVトーナメント」の予選Bブロックの三番勝負が5月12日に放送され、都成竜馬五段(29)が中村太地七段(30)をフルセットの末2-1で下し、一位決定戦へと進出した。
同トーナメントへの参加を前に「泥臭く戦う!」と色紙に記した都成五段が、「同世代でも特に出世頭」と評価する中村七段を、熱戦の末に撃破した。第1局、劣勢に立たされ時間に追われる中で、最後まで諦めずに指し続けると、解説の藤井猛九段(48)も「最後にすごい逆転だったですね」と語るほどの逆転劇を演じ、128手でものにした。ただ第2局は、優位に進めながらも中村七段の粘りに屈して192手で逆転負け。連勝での勝ち上がり寸前で逃しただけに悔いも残った。
そして3局目。相居飛車から都成五段の工夫を見せた序盤が成功し、自ら「かなり上手くいった将棋」と自賛する内容で118手の勝利を収めた。「3局とも熱戦を指すことができて、その上で結果を出すことができたので、とてもホッとしているところです」と、爽やかな笑顔で振り返った。本戦出場には、もう1つ山を越える必要があるが、イケメン棋士はその先も泥臭く、貪欲に勝ちを目指す。
敗れた中村七段のコメント 残念な結果となってしまって悔しいですね。対局相手は銀を上手く使われていたのに、こちらが上手く使えなかったので、その差がもろに出ちゃったような感じだったですね。
◆AbemaTVトーナメント 将棋界で初めて7つのタイトルで永世称号の資格を得る「永世七冠」を達成した羽生善治九段の着想から生まれた、独自のルールで行われる超早指しによるトーナメント戦。持ち時間は各5分で、1手指すごとに5秒が加算される。羽生九段が趣味とするチェスの「フィッシャールール」がベースになっている。1回の顔合わせで先に2勝した方が勝ち上がる三番勝負。予選A~Cブロック(各4人)は、三番勝負を2回制した棋士2人が、本戦への出場権を手にする。本戦トーナメントは8人で行われ、前回優勝者の藤井聡太七段、タイトルホルダーとして渡辺明二冠がシードとなっている。
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