大相撲夏場所十三日目、優勝の行方を占う大一番は波乱の結末となった。
2敗を守って自身初となる幕内優勝を狙う前頭八枚目の朝乃山(高砂)と、まずは二桁勝利を挙げて一場所での大関返り咲きを。さらに3敗を死守して優勝戦線に食らいつきたい関脇・栃ノ心(春日野)の一番だ。
栃ノ心がはたき込んで朝乃山が土俵に倒れた瞬間、二桁勝利と大関復帰を確信した栃ノ心が小さくガッツポーズ。しかしその直後に「栃ノ心のかかとが土俵を割っていたのでは」と物言いがついた。およそ5分間の協議の結果、「栃ノ心のかかとが出ていた」として寄り切りで朝乃山が11勝目を挙げた。
結びで横綱・鶴竜(井筒)が大関・高安(田子ノ浦)に敗れ3敗目を喫したことを受け、悲願の優勝に近づいた朝乃山。一方の栃ノ心は4敗目となり、優勝争いからは一歩後退。さらに大関返り咲きは明日以降への持ち越しとなった。
実はその取組前、十二日目の取組で前頭七枚目・明生(立浪)に寄り切られて3敗目を喫した栃ノ心が「何も言えないよ」と何かを暗示するかのようなコメントを発したことを受け、AbemaTVで解説を務めていた元関脇・寺尾の錣山親方が「北島康介みたいですね」と競泳のオリンピック金メダリストが残した名言を用いて反応していた。
錣山親方は「何も言えねえってやつは、何にでも使えるんですね」と話すと、明生との一番を振り返り「上体は立ってるし、得意の左上手を取りに行っているようで中途半端。ただ左も強く、吊りも強いのにどうして負けるのかな」と栃ノ心が二桁へ向けて足踏みしている現状には、その実力を認めるだけに納得がいかない様子で首を傾げた。
また、十三日目の取組で物言いがついた場面では、食い入るようにモニターを見つめて問題の瞬間を確認すると「正面から見ると出ていないように見えるが、見る角度によって全く異なる。まぁ、これだけ目の前で見ている親方がいるわけですから」と話していた。
(C)AbemaTV
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栃ノ心、異例の長時間審議で10勝目がこぼれ落ちる
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