40歳・安美錦 史上1位タイ・関取在位117場所の勲章を胸に現役引退
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 現役関取最年長40歳の安美錦が十日目にあたる7月16日、引退を表明した。十両十一枚目で迎えた今場所は初日黒星の後、二日目は新十両竜虎の上手投げに屈したが、その際に古傷の右膝を負傷。翌三日目から休場となり、当初は再出場の可能性を示唆していたが、その目処が立たないまま十日目まで休場が続き、十両残留の目安となる6勝を挙げる可能性もなくなり、20年ぶりの幕下への陥落がほぼ確実となった時点で22年半にわたる相撲人生にピリオドを打つことを決断した。

 平成9年(1997年)初場所で初土俵を踏むと3年を要して新十両に昇進。十両は3場所で通過し、平成12年(2000年)名古屋場所で新入幕を果たすとこの場所は10勝5敗で敢闘賞を受賞する活躍ぶりだった。

 右四つ、左の浅い上手を取って頭をつける体勢からの切れ味鋭い出し投げで崩して攻める相撲はまさに職人芸。足技やひねり技、足取りや無双も切るなど変幻自在の業師ぶりを発揮し、現役中に繰り出した決まり手は「技のデパート」と言われた舞の海の33を大きく上回る45。当初は技能派力士として活躍したが、平成15年名古屋場所十一日目の闘牙戦で右膝の前十字靭帯と半月板を損傷する大ケガを負ってしまう。25歳のときで手術を勧める声もあったが、手術をすれば復帰まで最短でも半年以上かかることから本人はケガと付き合いながら土俵に上がることを決断した。

 平成18年(2006年)九州場所で小結に昇進。その前後から増量に励み、入幕時は110キロ台だった体重は150キロを超えるまでになり、かつての小兵の業師のイメージは消えて前に押し出す相撲が増えていき、三役の常連となる。しかし、体重が増えたことで喉元の気道が塞がれ呼吸をするのにも支障をきたし、それ以上の増量は断念。現役中は右膝の古傷には何度も泣かされ、その後は左膝も負傷。ケガとの戦いにも明け暮れながらも対戦した横綱からはすべて金星を奪うなど、しばしば上位を苦しめた。力士生活晩年には左足アキレス腱を断裂し、以降は十両が長くなっていた。

 関取在位117場所は魁皇と並ぶ史上1位タイ、幕内在位97場所は高見山と並び史上2位タイ、通算出場1805回は史上3位、39歳6カ月での入幕は昭和以降最高齢など、記録にも記憶にも残る力士だった。平成の大横綱貴乃花の最後の相手を務めた男は、時代のバトンを19歳年下の将来有望な竜虎に託して土俵を去った。

(C)AbemaTV

▶【見逃し視聴】安美錦、現役最後の一番は5時間48分40秒ごろ~

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