8月24日、日本代表最初の練習試合後のインタビュー。大船渡・佐々木朗希と並んで取材を受けた明石商・水上桂は、「(佐々木は)デカいです。並ぶと、自分が小さいのがバレてしまう」と苦笑いを見せた。
大学代表との壮行試合、U-18ベースボールワールドカップに出場する日本代表に、選ばれた捕手は2人。その1人が水上だ。
「宇部鴻城との3回戦の次の日の練習後に、部長の浦井(佑介)先生から選ばれたよと伝えてもらいました。驚きも嬉しさもあったが、智辯和歌山の東妻(純平)選手や近江の有馬(諒)選手でも選ばれていないなかで自分を選んでいただいた。少しプレッシャーもあります」と心境を語る。評価されたと感じたのは、「投手を引っ張る姿勢、試合中の声掛け」だ。甲子園で話題になった『笑顔』でチームを引っ張る。
春夏連続ベスト4の明石商。全国の高校野球ファンにもおなじみの校名になった。今夜行われる壮行試合に出場する大学代表の山崎伊織投手(東海大)も明石商の出身で、3年前のセンバツベスト4の時のメンバーだった。水上も高校の先輩と対戦できるのを楽しみにしている様子で、「明石商という名を背負って代表に入ることができた。今まで2年半、指導してもらったことを見せていきたい」と恩師・狹間善徳監督への感謝も口にする。
日本代表のマスクをかぶる明石商・水上桂のプレーに注目したい!
今大会、投手には投球数制限(49球以下なら連投可能、50~104球までは中1日、1試合最大105球に達した場合は中4日など)が設けたことで、捕手にとっても配球面で、これまでの高校野球とは違った考え方を求められる。
「僕のいつもの配球なら、最終的に打ち取れる球から逆算して、遊び球やつり球などを使って、ウチの中森(俊介)などは球数が多くなることもあったんです。でも、今回それをしてしまうと、投手が投げる回数が少なくなってしまう。良い投手が揃っているので、3球目が決め球でも打ち取れるように考えていきたい」と構想を練る。内野手登録の石川昂弥、遠藤成を含め、11人いる投手陣を水上はどうリードしていくか?
さらに日本代表の国際大会で毎回課題となっているのがバント。この合宿でも首脳陣は初日からバントの練習をメニューに加えている。「バント(の重要性)は日本代表でも明石商でも同じなのかな」と感じた水上。明石商の代名詞の一つでもあるバントを、この合宿を通じて日本代表のチームメートと共有している。今回の代表で、明石商で培ったバントや多彩な攻めの技術を発揮する水上の姿も楽しみの一つだ。【松倉雄太】