まさに異次元の投球だ。9月5日、第29回U-18ベースボールワールドカップ（韓国・機張）のスーパーラウンドのカナダ戦で、今夏の甲子園で準優勝を果たした日本代表の奥川恭伸（星稜）が今大会初先発。150キロを超える直球や切れ味するどいスライダーを駆使し、7回を投げて被安打2、1失点、18奪三振という快投を披露した。
8月22日の履正社との甲子園決勝以来のマウンドとなった奥川は、初回からエンジン全開。小学生時代からバッテリーを組む山瀬慎之助（星稜）が構えるミットをめがけて最速152キロ、常時140キロ台後半のストレートを投げ込んでいく。さらに山瀬のリードに応えて、低めのコーナーにコントロールされたキレのいいスライダーも披露。2回終了まですべてのアウトを三振で奪うという圧巻の立ち上がりとなった。
格の違いを見せつけるかのような奥川のピッチングに、「半端ない球投げてんな」「素晴らしい」「やっぱ別格だわ」「スライダーのキレやばい」「完璧」「本当に完成されてるな」「コントロールよすぎ」とAbemaTVの中継の視聴者は大興奮。「メジャースカウトもうきうき」「もうメジャー級だろ」といったコメントまで飛び出した。
4回途中で早くも10奪三振と、超ハイペースで三振を積み上げていた奥川。しかしカナダの4番・ディオダティに高めに浮いた直球を捉えられ、ソロホームランで先制を許してしまう。しかしその後はしっかりと立ち直り、5回には韮澤雄也（花咲徳栄）のタイムリーで日本が逆転。奥川は7回までマウンドに立ち、21個のアウトのうち18個を三振で奪うという規格外の結果を残した。
試合後のインタビューで奥川は、久々のマウンドについて「実戦感覚も空いていて不安だったんですが、しっかりゲームが作れたと思います。（7回18奪三振は）それはいいと思うんですが、ホームラン1本が本当に悔やまれる。次はそういうことが起こらないようにしたい」と、快投にもさらに気合を入れていた。
