将棋の王位戦七番勝負第7局が9月25・26日に東京都千代田区の「都市センターホテル」で行われ、挑戦者の木村一基九段(46)が豊島将之王位(名人、29)に110手で勝利し、シリーズ4勝3敗で、悲願の初タイトルを獲得した。46歳3カ月でのタイトル獲得は史上最年長。感想戦後、報道陣の取材に応じた木村新王位は、家族への思いを聞かれ涙。「家に帰ってから伝えたいと思います」と、万感の思いを口にした。
 木村九段は1997年4月に四段昇段。以降、6度のタイトル挑戦、さらにあと1勝でタイトル奪取という状況から8局敗れるなど、タイトルにどうしても手が届かなかった。ただ、同シリーズでは現在の将棋界でも最高峰に位置する豊島王位と互角以上の戦いを繰り広げ、最終第7局では多くの棋士から、木村九段の対局の中でも歴史に残る名局だったと高く評価された。