そもそも医療機関で受けられるものには、標準治療と自由診療があり、前者は「医学的な有効性(エビデンス)の証明あり、保険適応、国の審査あり、例として肺がんの治療薬ニボルマブ(オプジーボ)など」、後者は「医学的な有効性(エビデンス)不明、全額自費、国の審査なし、例としてクリニックの免疫細胞療法、ビタミンCなど」といったものが該当する。

 桑満医師は自由診療について、レーシック手術など一般的に効果があるとされているものもあるとした上で、次のように注意を促す。

 「多くの方を、ある程度の率で助けられるのが標準治療で、だからこそ日本では保険適用でみんなが受けられるようにしている。しかし“標準”という聞くと、その上に何かプレミアムなものやトッピングがあるような気はしないだろうか。特にご家族の命に関わる話であれば、何かしてあげたいと思うだろう。そこが落とし穴だ。もちろん自由診療の中には海外では認められているものの日本ではまだ保険適用になっていないものも含まれているが、中には科学的・理論的にあり得ないものもある。また、標準治療の場合、1時間に10人の患者さんを診なければビジネスとして成り立たないが、自由診療なら1時間に1人、2時間に1人でも利益が出る。そうすると、患者さんとしては寄り添ってくれる良い先生に見えてしまいがちだ」。

「肛門日光浴を否定しないが、お金と安全が絡むと問題」
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