9度目のカド番を迎えていた大関豪栄道は4勝7敗という、これ以上は落とせない絶体絶命の状況で十二日目の関脇朝乃山戦を迎えた。一方の朝乃山にとってもすでに5敗を喫し、来場所以降の大関取りにつなげるためにはもう1敗もできず、両者ともに絶対に負けられない一番となった。
果たして、立ち合いは豪栄道が先に左上手を取り、頭をつけて有利な形になったと思われたが、朝乃山も右を深く差してすぐさま相手の上体を起こし、両者は右四つがっぷりで胸が合う形に。こうなれば体格で勝る朝乃山が優勢となり、左上手を引きつけながら豪栄道が右下手投げで抵抗するのも構わず寄り切った。この瞬間に豪栄道は33場所務めた大関からの陥落が決定してしまった。
昨年名古屋場所から貴景勝、栃ノ心、髙安と昭和以降初となる3場所連続で大関から陥落者が出た。そして今場所も異常事態は続き、来場所の大関は貴景勝ただ1人となる。一人大関は昭和57年(1982年)初場所の琴風以来、38年ぶり。
番付上は横綱を欠いても大関は東西でそれぞれ絶対に欠いてはならないという不文律がある。これは明治後期まで横綱は地位ではなく強豪大関に与えられる称号であり、大関が番付最高位であった時代の名残である。
したがって38年前も当時の横綱北の湖が番付表記では「横綱大関」となった。さらに遡ると昭和56年(1981年)秋場所は大関が不在だったため、3人いた横綱のうち東の張出横綱若乃花を除き、東の正横綱北の湖と、西の正横綱千代の富士がそれぞれ番付上は「横綱大関」を名乗った。
昨年から今年にかけて、協会の“看板力士”である大関の顔ぶれが目まぐるしく変わり、横綱陣も休場を繰り返すありさまだ。昨今、叫ばれている世代交代もいよいよ拍車がかかってきた。一人大関という事態は朝乃山を筆頭に台頭する若手にとっては、これ以上ないチャンスとなる。
▶映像:豪栄道の大関陥落が決まった一番
▶映像:初場所注目の取組を一気見「大相撲ダイジェスト」
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