<大相撲初場所>十二日目◇23日◇東京・両国国技館
「(決まり手が)下手投げになっているけど、投げてないですよ」
元横綱・大乃国の芝田山親方が発した言葉が、十一日目に関脇・朝乃山(高砂)を押し出しで、さらに十二日目には関脇・高安(田子ノ浦)を下手投げで下し7勝目を挙げた前頭五枚目・炎鵬(宮城野)の好調ぶり、巧さを物語っていた。
立ち合い突き離す高安に対して、左を差した炎鵬。すると高安は覆いかぶさるように右の腕を抱える。この体勢を嫌ったか一度は自ら離れた炎鵬が再び高安の懐に飛び込むと、今度は右の腕をたぐり、左の前みつを引いた。
一方の高安は炎鵬の肩越しに右の上手を引いたが、右のまわしに手を掛けた炎鵬が捻りながら左の下手投げを打つと、高安は堪えきれずにバタリと土俵に倒れた。連日となる関脇撃破の興奮に館内は割れんばかりの大歓声に包まれた。しかし、AbemaTVで解説を務めた元横綱・大乃国の芝田山親方は冷静だった。
「炎鵬は倒れてくるビルをスッと横にどけたみたいな感じでしたね」と切り出すと「高安の仕切りが少し後ろすぎたので、相手に間合いを取らせてしまう。逆に炎鵬は下手を抜いただけ。下手投げとなっているけど、投げていない。下手を抜いていっただけで、高安は脚が揃って前のめりになった。支えようのない物が倒れただけです」とこの一番について解説し、炎鵬の好調ぶりを称えた。
なおこの一番、一度目の立ち合いは合わず、ふんわり立って互いに腕を伸ばし合う姿に対して館内からは笑いが。視聴者からも「まるでコントみたいだ」というコメントも聞かれており、見どころ満載の一番となった。(AbemaTV/『大相撲チャンネル』より)
【映像】「まるでコント」のような立ち合いも見どころ(20分頃)
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