超速将棋で“振り飛車最強説” 「作戦無視」でも菅井竜也八段が完勝 チーム久保は予選全て勝ち越し/将棋・AbemaTVトーナメント
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 超早指し戦に“振り飛車最強説”が浮上する勢いだ。将棋の超早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」の予選Aリーグ、チーム久保VSチーム三浦が4月25日に放送され、大将戦でチーム久保の菅井竜也八段(28)が、三浦弘行九段(46)との三番勝負で2連勝、+2ポイントを獲得した。これでチーム久保はチーム豊島、チーム三浦との先鋒・中堅・大将の各試合で全て勝ち越し。+8ポイントの圧勝で、本戦出場を決めた。

▶映像:菅井竜也八段の三間飛車が炸裂

 圧巻の強さだ。初戦のチーム豊島戦の先鋒戦から、全て勝ち越しで迎えた予選の最終戦。既に決勝トーナメント出場を決めていた中、チーム最年少の大将・菅井八段は余裕を持って盤に向かった。事前に作戦会議室で話していたのは、四間飛車で戦うこと。ところが第1局から、戦型は三間飛車穴熊に。これには見守っていた久保利明九段(44)、今泉健司四段(46)からも笑いがもれ、久保九段からは「四間飛車、言うてたがな」と関西らしくツッコミも入った。相穴熊から中盤はややリードを許したが、終盤に怒涛の攻めで快勝。「作戦無視」もご愛嬌といった戦いぶりだった。

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 もともと早見え早指しが特徴の菅井八段からすれば、超早指し戦は自宅の庭とも言える領域。第1局でやや時間に追われたと感じたのか、第2局はさらにスピードアップを目指し、順位戦A級同士の戦いながら圧倒。117手で2連勝を決めた。

 最終盤を1手数秒で指すという将棋は、プロでも真剣勝負ではなかなか経験が少ないところ。1手指すごとに5秒が加算されるルールにおいて、自玉をがっちり囲って時間を蓄え、後は攻めに専念するという振り飛車が、超早指しへの適正が高いというのは前評判として語られていた。そのスペシャリスト3人が集まった結果が、オール勝ち越しでの予選勝ち抜け。4つある予選リーグのまだ1つ目が終わったばかりだが、「チーム振り飛車」の存在感は大きくなるばかりだ。

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◆第3回AbemaTVトーナメント

 持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行い、1回の対戦は三番勝負。3人1組の12チームが、3チームずつ4つのリーグに分かれて総当たり戦を実施。1対局につき1勝を1ポイント、1敗を-1ポイントとし、トータルポイントの多い上位2チーム、計8チームが決勝トーナメントに進出する。優勝賞金1000万円。

◆出場チーム&リーダー

 豊島将之竜王・名人、渡辺明三冠、永瀬拓矢二冠、木村一基王位、佐藤康光九段、三浦弘行九段、久保利明九段、佐藤天彦九段、広瀬章人八段、糸谷哲郎八段、稲葉陽八段、Abemaドリームチーム(羽生善治九段)

ABEMA/将棋チャンネル)

▶映像:菅井竜也八段の三間飛車が炸裂

順位戦A級同士の白熱した一局
順位戦A級同士の白熱した一局

▶映像:菅井竜也八段がまさかの“作戦無視”した第1局

菅井八段の作戦無視にチームメイトも爆笑
菅井八段の作戦無視にチームメイトも爆笑
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