ファンも「初めて見た」と衝撃 プロの実戦将棋で超レア「飛車不成」が発生 超早指しでハプニング?
【映像】ABEMAでみる
この記事の写真をみる(2枚)

 目の肥えた将棋ファンでも「初めて見た」と驚く一瞬が誕生した。超早指し戦で戦っていた高野智史五段(26)がテレビ対局中、敵にいた飛車を動かしたにも関わらず、成って能力を上げない「不成(ならず)」の一手を指し、視聴者は何が起きたかわからないといった様子で、一時騒然となった。

▶映像:超レアな実戦での「飛車不成」

 高野五段が出場していたのは、非公式戦ながら超早指し戦、かつプロ将棋界で初の団体として注目を集める「第3回AbemaTVトーナメント」。4月25日に放送された予選Aリーグ第3試合、チーム久保VSチーム三浦の先鋒戦(三番勝負)の第2局で、今泉健司四段(46)と戦っていた。

 持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算という独特なルールで、終盤になると1手指すのに10秒もないといった局面が続く、非常にスリリングな将棋が繰り広げられている。高野五段は、形勢不利な終盤戦で、残り時間がわずか5秒に。すると事前に打ち込んでいた2二の飛車を、4二の地点に滑らせた。

 本来であれば、敵陣に打った駒は次に移動させれば、性能をアップする「成駒」にすることができる。駒を裏返すことでそれが成立、銀や桂など動きの特徴から「不成」を選択することはあるが、大駒である飛車が不成であることのメリットはほぼゼロだ。

ファンも「初めて見た」と衝撃 プロの実戦将棋で超レア「飛車不成」が発生 超早指しでハプニング?
拡大する

 残り5秒という切迫した時間によるハプニングか、はたまた何か読みがあったのか。いずれにしても、実戦ではめったに見られない飛車不成に、視聴者は騒然とした後に大量に反応。「ならず?????」「成らず!」「成ってる余裕がなかった」ひっくり返す時間すら惜しい」といった感想が次々と生まれると、「飛車ならず初めて実戦で見た」「伝説の飛車不成」という驚きのコメントも多数見られた。

 なお飛車不成は、詰将棋では登場するケースがあり、玉の逃げ先を確保することで、反則である「打ち歩詰め」を回避するという目的がある。

◆第3回AbemaTVトーナメント

 持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行い、1回の対戦は三番勝負。3人1組の12チームが、3チームずつ4つのリーグに分かれて総当たり戦を実施。1対局につき1勝を1ポイント、1敗を-1ポイントとし、トータルポイントの多い上位2チーム、計8チームが決勝トーナメントに進出する。優勝賞金1000万円。

◆出場チーム&リーダー

 豊島将之竜王・名人、渡辺明三冠、永瀬拓矢二冠、木村一基王位、佐藤康光九段、三浦弘行九段、久保利明九段、佐藤天彦九段、広瀬章人八段、糸谷哲郎八段、稲葉陽八段、Abemaドリームチーム(羽生善治九段)

ABEMA/将棋チャンネル)

▶映像:超レアな実戦での「飛車不成」

なぜか成らない飛車
なぜか成らない飛車

▶映像:あわや事故発生レベル“切れ負け”寸前の一局

手からこぼれる駒
手からこぼれる駒
この記事の写真をみる(2枚)