20日午後、日本高校野球連盟(高野連)は運営委員会を開催し、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、戦後初となる夏の甲子園中止を発表。49の地方大会も全て中止が決まった。
夏の甲子園中止について、元千葉ロッテマリーンズで野球解説者の里崎智也氏は「仕方がないというのが率直な感想だ」とした上で、「高校球児の半数以上は甲子園を目指すことが集大成になると思うし、それに向かって長い選手では10年以上やってきたわけで、それで勝負をさせてもらえないというのは、思いをどこにぶつけていい状況か分からないと思う。甲子園があることによって、最終的に1校以外は全て負けることになる。野球を続けるにしても続けないにしても、それがあることで踏ん切りがつき、リスタートを切りやすい。球児としては、やはりその“負ける”という事実が欲しい。また、高校野球は日本の文化だ。近所の商店街のおじさんおばさんなど、地域密着で応援し続ける。関係者の喪失感も大きいと思う」と話す。
さらに里崎氏は、影響はプロ野球にも及ぶと懸念する。「現状ではドラフトがあるため、プロになる道は高校野球以外ほぼないと思う。球団スカウトは2月までは見ているわけなので、そこから伸び代などを予測する。その意味では腕の見せどころだと思う。ただ、春から夏に向けて大きく成長を遂げる可能性があった選手たちにとっては大きなマイナスになる可能性はある。それでも僕も大学に行ってからプロに入ったし、独立リーグや社会人野球もあるので、そこに賭けてもらいたい」。
そこで里崎氏は「春夏高校野球大会」という救済策を提案する。次の選抜予選(9~10月)の終了後、3年生の中から希望者を対象に地方大会(11月)を開催。甲子園が空いている来年2月に全国大会を実施するというものだ。また、選抜出場校はシード枠にする。
「やはり甲子園を目標に大会をさせてあげたいと思う。東京でいうと、9月、10月は都大会、関東大会という新チームの日程と被ってしまう。そこで時期的には寒くなると思うが、11月に3年生による地方大会をやって、来年の選抜が開催される前の2月に春夏合わせた全国大会を甲子園でできないかと。0.1%の可能性に賭けて、これができないかなと。入試などの問題もあるが、スケジュール的にはここしかない。もちろん全国大会ができるのであれば、今年に関していえば甲子園でなくてもいいと思う。できることを前提に進めてあげてほしいし、少なくとも、都道府県のナンバーワンを決めることだけはやってほしい」。
そして一斉休校や外出自粛中の球児たちに向け、「あんまり休み過ぎると感覚が戻らないというパターンもある。投げること以外でもトレーニングなど、色々なことで成長していく部分が大きい。ここで練習したやつはメチャクチャ伸びる可能性がある。“やったもん勝ち”ということで、自分を律して頑張ったやつは大きなアドバンテージを得られる」と訴えていた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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