将棋の藤井聡太七段(17)が6月2日、ヒューリック杯棋聖戦・決勝トーナメント準決勝で佐藤天彦九段(32)に111手で勝利し、決勝進出を決めた。4日に行われる決勝(挑戦者決定戦)で勝利すると、従来の記録を4日上回る、17歳10カ月20日という最年少タイトル挑戦記録を樹立する。対局後、取材に応じた藤井七段は「普段以上に将棋に取り組めた」と、自粛期間でパワーアップしたことを明かした。
藤井七段は、デビュー直後から史上最多の29連勝を記録すると、その後も昇段や棋戦優勝など、数々の最年少記録を樹立。ただ、タイトル挑戦ではあと1勝のところで挑戦権獲得を逃すなど、壁にぶつかっていた。
棋聖戦では順調に勝ち進みベスト4入りを決めていたもの、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、対局が延期に。それでも緊急事態宣言の解除を受けて、対局の予定が組まれ始めると、一時は絶望的と思われた藤井七段のタイトル挑戦の可能性が復活した。
この日は53日ぶりの公式戦となったが「4月から2カ月弱対局がない状態でしたが、普段以上に将棋に取り組めることもあったかと思います」と、充実した日々を過ごしていたとコメントした。
名人3期の強敵、佐藤九段に快勝した藤井七段は「激しい変化の多い将棋。全体的には手厚く指せたと思います」と振り返ると、4日に行われる決勝の相手は永瀬拓矢二冠(27)で初手合に。「永瀬二冠は、大変充実されていますし、自分もVSで教えていただいている関係で、いい将棋を指せればと思います」と語った。8日にはタイトルをかけた五番勝負で、渡辺明棋聖(棋王、王将、36)との戦いが始まる。
(ABEMA/将棋チャンネル)