経験値爆上がり!黒沢怜生五段、本人もびっくり羽生善治九段に連勝/将棋・AbemaTVトーナメント
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 想定外の連勝に、本人もびっくりだ。将棋の超早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」の予選Dリーグ第3試合、AbemaドリームチームVSチーム広瀬が6月27日に放送され、中堅戦でチーム広瀬・黒沢怜生五段(28)が、Abemaドリームチーム・羽生善治九段(49)との三番勝負に2連勝を収めた。将棋界のレジェントに連勝を果たし、棋士としての経験値も急上昇。黒沢五段の棋士人生にとっても、ビッグイベントとなった。

▶動画:勝った本人もびっくり 黒沢五段の大番狂わせ

 戦前の雰囲気はそれこそ指導対局前の若手棋士、といったものだった。既にチームが予選通過を決めていただけに、リラックスムードも漂っていた作戦会議室。チームリーダー広瀬章人八段(33)からは「(黒沢五段が)経験値を積む、作戦はそれで。羽生さんの自然な指し回しを体験できる機会はなかなかない」と伝えられると、公式戦で1度対戦があった黒沢五段は「本当にボコボコにされて手合違いというか、大駒1枚、差があるなと思った」と、完敗の思い出を振り返った。

 相手は永世七冠、タイトル99期など、数々の大記録を持つキングオブレジェンド。失うものは何もないと、先手番の第1局は「私の中で一番、勝率がいい戦法」の中飛車で立ち向かった。羽生九段の所作がそうさせたのか、両者とも持ち時間5分・1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールとは思わない優雅な手付きで進行したが、中盤・終盤に向けて、徐々にスピードアップ。解説した橋本崇載八段(37)から「元気いっぱいの攻め将棋」と言われた内容で、黒沢五段が緊張感を振り払って勝利した。

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 興奮冷めやらぬ中で迎えた第2局は、後手番から「これで棋士になれた」とまでいう角交換振り飛車を採用。内容としては圧倒的に押されていたが、終盤の粘りで羽生九段の隙を見つけると、そこから逆襲開始。勝負手の連発が功を奏し、大逆転勝利で2連勝を収めた。

 対局後にインタビューに応じた黒沢五段は「一手一手、教わろうという気持ちで指した結果なので素直にうれしいです」と微笑むと、会議室で話されていた経験値については「ぐーんと上がったような気がします」と、さらに笑みが大きくなった。若手実力者の一人に数えられてはいるものの、タイトルに絡む戦いや、棋戦優勝などの実績はまだ残せていない。今後、躍進があるとすれば、きっとこの時の経験値が大きく作用しているはずだ。

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◆第3回AbemaTVトーナメント

 持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行い、1回の対戦は三番勝負。3人1組の12チームが、3チームずつ4つのリーグに分かれて総当たり戦を実施。1対局につき1勝を1ポイント、1敗を-1ポイントとし、トータルポイントの多い上位2チーム、計8チームが決勝トーナメントに進出する。優勝賞金1000万円。

◆出場チーム&リーダー

 豊島将之竜王・名人、渡辺明三冠、永瀬拓矢二冠、木村一基王位、佐藤康光九段、三浦弘行九段、久保利明九段、佐藤天彦九段、広瀬章人八段、糸谷哲郎八段、稲葉陽八段、Abemaドリームチーム(羽生善治九段)

ABEMA/将棋チャンネル)

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経験値、大量獲得!
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▶映像:羽生善治九段、芸人ばりの“ツッコミ”シーン

黄金の右手でバシッ!
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