将棋の叡王戦七番勝負第4局が7月19日、愛知県名古屋市「亀岳林万松寺」で行われ、永瀬拓矢叡王(王座、27)が豊島将之竜王・名人(30)に232手で勝利、今シリーズ初勝利をあげた。同日行われた第3局では、207手で持将棋・引き分けに。1日で2局、合計439手という超ハードな一日に「本当に長い一日だったなと思います」と振り返った。シリーズ成績は1勝1敗2持将棋という、将棋史にも例のない状態で、第5局を迎えることになった。
▶中継:史上初、2局連続「持将棋」も 永瀬拓矢叡王 対 豊島将之竜王・名人
タイトル戦としては変則の持ち時間各1時間、1日2局という第3局・第4局。午後2時から始まった第3局が、対局していた2人もまさかの第2局に続く持将棋に。3時間49分かかったことで、第4局も予定されていた開始時間を30分繰り下げ、午後7時30分から行われた。
第1局は千日手指し直し、第2局・第3局が持将棋という、異様なペースで進行するこのシリーズ。第4局も普通では終わらなかった。豊島竜王・名人の先手番で、横歩取りから始まったが、1分将棋になってからも終盤では形勢が二転三転、さらには200手を超えてから互角になるといった死闘に。最後は永瀬叡王がなんとか勝利したが、終局時間はなんと午後11時59分。持ち時間各1時間にも関わらず、4時間29分という長時間となった。
2局合わせて439手、時間にして8時間18分という死闘。そもそも持ち時間の長い長時間対局であれば、自分の時間を使って休憩するなどできるが、今回のケースは対局時間の約半分以上が1分将棋。ミスが許されない中で、延々と1分未満で指し続けるという、尋常ではない戦いだった。
第4局を終えた後も、しっかり40分近く感想戦をした永瀬叡王は「(叡王として)初勝利ができて安心しました」と笑顔を見せると、2局連続持将棋については「なかなかすごい偶然が起こったのではないかなと思います」とにっこり。ファンからは体調を心配する声も多く寄せられたが「山場は越えて、今はハイなので疲れは全く感じていません。明日が恐ろしい気はします。まだ指せる?今の状態ならできるかもしれません」と、また笑っていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)