プロ将棋界初の早指し団体戦「第3回AbemaTVトーナメント」の決勝トーナメント準決勝、チーム永瀬VSチーム康光が8月8日に行われ、第8局でチーム永瀬・藤井聡太棋聖（18）がチーム康光のリーダー・佐藤康光九段（50）に勝利、この日2勝目をあげ、チームは5勝3敗の成績で決勝進出を決めた。
▶中継：第3回AbemaTVトーナメント準決勝＜チーム永瀬 VS チーム康光＞
絶好調ではなくて勝つのが真の実力者だ。チームの決勝進出がかかる大事な一局で、勝利までは決して平坦ではなかった。「中盤からは常に押される展開でした」というとおり、苦労が続く状況だったが「開き直ったのがよかったと思います」と、勝負手を連発すると、徐々に形勢を持ち直し、終盤に向けては一気にスパート。佐藤九段の寄せもわずかなところでかわし、「何より結果が大事だと思った」という勝利を、チームのもとに届けた。
苦戦続きの一日だった。第1局では、同じく佐藤九段と戦い、勝利こそを手にしたものの、一時はかなり劣勢にまで追い込まれた。また第5局では森内俊之九段（49）に敗戦。決勝トーナメントで続いていた個人の連勝も「5」で止まっていた。本人も納得できない内容が続き、チームメイトが待つ作戦会議室でも、笑顔は見せつつ反省しきり。ただ、公式戦でも8割を超える勝率が示すとおり、決して万全の内容でなくても、勝負には勝つ術を最年少タイトルホルダーは身につけていた。
開幕前のドラフト会議時から、優勝候補の筆頭にあげられていたチーム永瀬。指名された当時は「七段」だったが、今やタイトルホルダーになっている藤井棋聖。王位のタイトルにも王手をかけており、状況によっては22日の決勝には「二冠」となって登場するかもしれない。成長が止まらない18歳。初の団体戦王者に向けて、次回はさらに冴えまくる。
◆第3回AbemaTVトーナメント
持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで対局。全12チームが4つの予選リーグに分かれて戦い、各リーグ上位2位までが予選通過。決勝トーナメントは5本先取の9本勝負で行われ、勝ち越しが決定した時点で終了する。1チームは3人で、各棋士は1試合につき最低1局、最大3局の範囲で指す必要がある。対局者は各対局前に決定する。優勝賞金1000万円。
◆決勝トーナメント進出チーム
チーム渡辺、チーム永瀬、チーム康光、チーム三浦、チーム久保、チーム天彦、チーム広瀬、チーム糸谷
（ABEMA／将棋チャンネルより）
