将棋の竜王戦決勝トーナメント準決勝が8月13日に行われ、羽生善治九段(49)が梶浦宏孝六段(25)に102手で勝利、決勝にあたる挑戦者決定三番勝負への進出を決めた。対戦相手は、同トーナメント初戦で藤井聡太棋聖(18)に勝利した丸山忠久九段(49)。前人未到のタイトル通算100期達成に向けて、夢へと近づく大きな勝利を手にした。
2018年12月の竜王戦でタイトルを失い27年ぶりの無冠、そこからタイトル戦出場からも遠ざかっていた羽生九段だが、タイトル100期の大記録に向けて久々にビッグチャンスが到来した。挑決三番勝負進出をかけた一局は、5組ランキング戦優勝から本戦も破竹の勢いで勝ち上がってきた新鋭・梶浦六段。藤井棋聖を中心に若手の台頭著しい中、将棋界のレジェンドが迎え撃つという組み合わせになった。
横歩取りから始まった対局は、羽生九段の積極的な攻めが功を奏する展開に。午後6時からの夕食休憩までに49手だったものの、短手数で終盤の入り口まで達する激しい攻防戦。力強い踏み込みで主導権を握った羽生九段が、必死に食らいつく梶浦六段を振り切って、大事な一局を制した。対局後には「ずっといい勝負というか、よくわからない展開が続いていたと思います。ギリギリの勝負かなと思って指していました。(挑決は)すぐにあるので、コンディションを整えて臨めたいいなと思います」と語った。
羽生九段はタイトル通算99期、棋戦優勝45回、通算最多勝、七冠独占、永世七冠など数々の大記録を打ち立ててきたが、大きな節目となるタイトル100期はあと1勝のところまで迫りながら逃したもの。挑決三番勝負は、これまで何度も対戦してきた丸山九段が相手。同学年の強敵の先には、現タイトル保持者・豊島将之竜王(名人、30)が待っている。
(ABEMA/将棋チャンネルより)