将棋の王位戦七番勝負第4局が8月19、20日に行われる。木村一基王位(47)は、挑戦者の藤井聡太棋聖(18)に3連敗と追い込まれた状況に「後がありませんので、思いっきり指したいなと思います」と、力強く語った。
木村王位は昨期、史上最年長46歳3カ月で初のタイトルを獲得したが、初の防衛戦となった今シリーズは開幕局から3連敗。一気に失冠の危機に追い詰められている。過去には同じ王位戦で自分が3連勝し奪取に王手をかけながら、そこから4連敗したという苦い思い出もあるが「逆の状況になってしまったので、一局できっかけをつかみたいと思っていますし、一局は新しく始まるので、思い切りぶつかっていきたいと思います」と、反撃の狼煙をあげる意気込みだ。
同シリーズは、藤井棋聖の新たな最年少記録についても注目が集まっている。藤井棋聖が奪取に成功すれば最年少での二冠、八段昇段を達成する。「よく報道でそう言われていますが、私自身は(対戦)相手でもありますので気にしていません。自分の力を出すことを第一に考えていますので、そちらに100%力を注ぎたいと考えています」と、精神面にはブレがない。
第1局は押し切られ、第2局は逆転負け、第3局はチャンスがあったもののつかみ損ねたという木村王位は、藤井棋聖の実力に「ミスが少ないところが、強さや成績に結びついている。(自分は)2局目、3局目の中で確かにミスというものがありました。次こそはないようにという目標を立てています」と、持ち時間8時間、2日制の対局において、終局までいかに集中力を保てるかという戦いにもなっている。
異名では「千駄ヶ谷の受け師」と呼ばれ、揮毫では「百折不撓」と記す、とにかく粘り強い木村王位。持ち味十分の一局で、大逆転防衛への白星をつかめるか。
(ANNニュース)