将棋の王将戦挑戦者決定リーグの対局が9月22日に行われ、羽生善治九段(49)が藤井聡太二冠(18)に80手で勝利した。これまで両者の対戦は4回あり、全て藤井二冠が勝利していたが、本局は羽生九段が制して初勝利。タイトル100期への挑戦権獲得で勢いづくレジェンドが、天才棋士に意地を見せる一局となった。
渡辺明王将(名人、棋王、36)への挑戦権をかけて行われる挑決リーグだが、藤井二冠は昨期、あと1勝のところで挑戦権獲得を逃していた。今期は史上最年少での三冠、九段昇段を目指してのスタートになったが、いきなり立ちはだかったのはタイトル99期を誇る羽生九段だった。
圧倒的な勝利を誇る藤井二冠にあって苦手と言われることもある横歩取りの出だしから始まった対局は、序盤から大駒の交換があるなど派手な展開になったが、長考が続いた藤井二冠に対して、羽生九段は安定したペースで進行。手にした勝機をしっかりとものにした。
今期の挑戦者決定リーグ戦には7人の棋士が参加。全員がタイトル経験者で、順位戦B級1組以上という超ハイレベルな顔合わせに。総当たりで6局指すが、羽生二冠にとっては絶好調の最年少タイトルホルダーに勝利しての好スタート、三冠を目指す藤井二冠にとってはいきなり苦しい出だしとなった。
(写真提供・日本将棋連盟)