将棋の順位戦A級4回戦が10月19日に行われ、稲葉陽八段(32)が佐藤天彦九段(32)に178手で勝利した。過去には名人戦でもぶつかった同世代の対戦は、日をまたぐ熱戦に。終局時間は、明けて20日の午前1時5分だった。
横歩取りから始まった対局は、長いつば競り合いを繰り返す中盤を経て、一気にペースアップ。稲葉八段が、佐藤九段の玉頭を中心に攻め立てたが、佐藤九段も巧みに玉を逃して粘り腰。ついには上部脱出を果たし稲葉陣に入玉すると、稲葉八段もルートを確保し、相入玉の可能性まで見られていた。
それでも寄せの難しい自陣にいる相手玉を、少ない持ち時間の中でしっかりと寄せた稲葉八段が、最後は即詰みに討ち取った。
今期の成績は両者とも2勝2敗の五分に。渡辺明名人(棋王、王将、36)への挑戦権争いは、4連勝している斎藤慎太郎八段(27)が抜け出している。両者とも、終盤に斎藤八段との対局を控えており、これから挽回していくことになりそうだ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)