将棋の竜王戦七番勝負第3局が11月7、8日に京都府京都市の「総本山仁和寺」で行われ、豊島将之竜王(叡王、30)が羽生善治九段(50)に172手で勝利、シリーズ成績を2勝1敗とし、初防衛にあと2勝と迫った。
難解な中盤では両者互角のまま熟考を重ねる長い対局になると、終盤の入り口では豊島竜王がリード。ところが終盤も進んだところで羽生九段が逆転し、残り時間がほとんどない状態で最終盤を迎えた。
優勢だった羽生九段に対し、豊島竜王が必死の攻めを繰り返すと、1分将棋が続いていた羽生九段が回避をしきれず、形勢が大逆転。最後は豊島竜王が即詰みに討ち取り、熱戦に終止符を打った。
豊島竜王と羽生九段との対戦では、「後手番有利」というジンクスが続いており、トータルでも前日まで24勝11敗、直近まで9連勝というデータがあった。本局も後手番が勝利したことで、10連勝に到達。先手番がやや有利と言われる中で、ジンクスがさらに続くことになった。
対局後、豊島竜王は「(2勝1敗に)すぐ次があるので、コンディションを整えて頑張りたい」とコメント。悔しい逆転負けを喫した羽生九段は「ちょっと分かれのところは失敗したような気がしました。終盤はもしかしたら何かあったかもしれないですが、わからなかったです。攻められた時の応接に問題があったかもしれません」と首をひねっていた。
第4局は11月12、13日に福島県福島市「吉川屋」で行われる。先手は豊島竜王。
(ABEMA/将棋チャンネルより)