プロの将棋界には、数々の部活動がある。野球部、フットサル部といった運動部から、書道部、囲碁部といった文化部まで様々。対局、研究の合間に棋士、女流棋士が集まり、交流を深める場所になっている。現在、将棋界の頂点に立つ渡辺明名人(棋王、王将、36)はサッカー好きで、フットサル部を立ち上げた本人だが、その渡辺名人が語るのは「佐々木勇気(七段)はどこにでもいる」ということだ。
佐々木七段は、2010年10月に四段昇段、プロ入りした26歳の若手実力者。タイトル経験こそないが、棋戦優勝の経験があり、竜王戦では最上位の1組に在籍。将来を期待される棋士の一人だ。この佐々木七段、若手との交流も頻繁で、あちこちの部活動で活躍しているようだ。
ABEMAの企画で、渡辺名人、近藤誠也七段(24)、石井健太郎六段(28)の所司一門が集まった時のことだ。最近、バスケットボールの動画にハマったという石井六段が「解説動画を見ていると1ターン1ターン、戦術が変わる」と、将棋とは異なる魅力について語ると、渡辺名人は「自分でもバスケやってみたら?」と提案。見る専門の石井六段が「それは無理です」と苦笑いすると、渡辺名人が「なんか佐々木勇気(七段)が連盟バスケ部を仕切っていて、全国目指しているらしいんですよ。最近練習がかなりキツいって」と、情報を放り込んだ。どのような大会で“全国”を目指すのか定かではないが、とはいえ相当の気合いの入れようだ。
続いて近藤七段が「最近、若手棋士とポーカーを(始めた)」と語り始めたが、ここでも佐々木七段が登場する。若手の中で、ポーカーを楽しむ者が多いらしく、これにも渡辺名人は反応。近藤七段が「佐々木勇気さんや、黒沢怜生(五段)さんと」と、プレイした先輩棋士の名を挙げた途端、渡辺名人も思わず「佐々木勇気、どこにでも出てくるな」と大笑いしていた。
なお佐々木七段のポーカーの腕前はかなりのもので、国内のトップ選手が集まる大会でも活躍したことがある。バスケでゴールを狙い、ポーカーでチップを奪う。そして将棋。負けず嫌いでも知られる棋士だけに、戦いがあるところにはいつでも姿を現す。
(ABEMA/将棋チャンネルより)