将棋の対局といえば、パチンという駒音、頭を悩ませる棋士の息遣いやうなり声、記録係による秒読みの声が、繰り返し響き渡り、それ以外の物音がする方が珍しい。ところがその張り詰めた空気をぶち破るかのように、1匹の黒いヤツの出現によって大騒ぎとなった。若手棋士・石井健太郎六段(28)が思わず「笑いが止まらなくなった」という“事件”とはいかなるものか。