将棋の朝日杯将棋オープン戦の本戦トーナメント1回戦が1月16日に行われ、渡辺明名人(棋王、王将、36)が永瀬拓矢王座(28)に129手で勝利した。16人参加の本戦ながら、片側8人のブロックに4人のタイトルホルダーが全員集合する激戦区。まずは三冠保持者で“現役最強”とも呼ばれる渡辺名人が、準決勝で待ち構える格好となった。
まさに貫禄の勝利だ。2人は王将戦七番勝負でもタイトルをかけて戦っている。豊島将之竜王(叡王、30)、藤井聡太王位・棋聖(18)を加えた“4強”がタイトルを占めており、将棋界をリードしている中、その4人が同一ブロックに入った朝日杯は、2021年の将棋界を占う新年早々の注目棋戦となっていた。
両者、午前中の対局で快勝を収めると、午後2時からの対戦では角換わり腰掛け銀の出だしから進行。これまでも数多く指されてきた戦型ながら、先手の渡辺名人の攻めが成功すると、その後は渡辺陣がほぼ崩れることなく、攻め続ける展開に。超トップ棋士同士の一局ながら、渡辺名人の充実ぶりが際立つ快勝となった。
明日17日には豊島竜王、藤井王位・棋聖が揃って1回戦に登場。同日に2回戦があるために、この日同様にタイトルホルダー同士が直接対決することも有力視されている。先にベスト4入りした渡辺名人に挑むのはどの棋士か。
◆朝日杯将棋オープン戦 持ち時間40分の早指し棋戦。一次予選、二次予選を勝ち抜いた棋士が、シード棋士を含めた計16人で本戦トーナメントを戦う。参加は全棋士、アマチュア10人、女流棋士3人で優勝賞金は750万円。2017年度、2018年度に藤井聡太二冠が2連覇している棋戦としても知られている。
(ABEMA/将棋チャンネルより)